🟥 ヘリコバクター・ピロリとは?(歯科学生がまず押さえる基礎)
- グラム陰性・らせん菌
- 胃粘膜に住み、ウレアーゼでアンモニアを産生 → 胃酸から生き残る
- 萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌の危険因子
- 口腔内(歯垢・舌苔)からも検出される
👉 歯科領域でも「口腔内が感染リザーバー」になり得ることが国試的に重要。
🟥 歯科医師国家試験で問われるポイント(最重要)
① ピロリ菌の特徴
② 感染経路:口―口、糞―口
- 特に 口腔内でのピロリ菌存在が国家試験で問われ始めている
- 歯科の役割=口腔衛生管理でリザーバーを減らす
③ ピロリ菌と疾患
- 萎縮性胃炎
- 消化性潰瘍
- 胃MALTリンパ腫
- 胃癌(2次予防に除菌が有効)
④ 鉄欠乏性貧血(IDA)との関連
- ピロリ感染は鉄吸収を阻害
- 除菌により改善することがある(医科・歯科国試ともに出題)
⑤ 除菌療法と使用薬剤
- PPI + アモキシシリン + クラリスロマイシン(またはメトロニダゾール)
- 歯科国試は「薬剤名」「PPIの作用」「マクロライドの副作用」を聞かれる
歯科とピロリ菌:どこでつながる?(臨床+国試)
① 歯垢・舌苔がリザーバーになりうる
- 感染源が口腔に残ると再感染リスク
- 口腔ケアの重要性が上昇
② 歯周病との関係(研究増加中)
- 歯周病患者の歯垢からピロリ菌DNAが検出されることがある
- ただし 因果関係はまだ確立していない(ここが重要!)
③ 歯科で必要な知識(国家試験的観点)
- 感染対策(スタンダードプリコーション)
- 超音波スケーラーや口腔ケアで細菌量を減らす
- 口腔内の衛生状態が胃の疾患にも間接的に影響し得る
🟥 ピロリ菌と萎縮性胃炎・貧血の関係
■ 病態の流れ
1. 胃粘膜炎症
2. 胃酸分泌低下
3. Fe³⁺ → Fe²⁺ への還元が不十分
4. 鉄吸収低下 → 鉄欠乏性貧血
5. 除菌により改善するケースがある
👉 最新の医科歯科国試で非常に出題されやすい領域。
🟥 除菌療法の実際(歯科でも最低限知る)
- 1次除菌:PPI + AMPC + CAM
- 2次除菌:PPI + AMPC + MNZ
- 公費の適応範囲
- 副作用(下痢、肝障害、味覚異常)
- 除菌成功率は 90%以上
※歯科医師国試では「薬剤名」「作用機序」「副作用」が問われる。
🟥 まとめ:歯科医師が押さえておくべきH. pyloriのポイント(5つ)
- 1. らせん状グラム陰性菌・ウレアーゼ産生
- 2. 口腔内がリザーバーとなりうる
- 3. 萎縮性胃炎、胃潰瘍、胃癌の原因菌
- 4. 鉄欠乏性貧血との関連(除菌で改善)
- 5. PPI+AMPC+CAMの三剤療法が標準
🟥 歯科国試向け:ヘリコバクター・ピロリの予想問題
【問題例】
H. pylori に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
A. グラム陽性球菌である
B. ウレアーゼを産生する
C. 歯垢から検出されることがある
D. 主に空腸に定着する
E. 消化性潰瘍の原因となる
【解答】B, C, E
さいごに
ピロリ菌はまた必ず出題されます。歯周病の桿菌だけではなく、歯科医師は今は幅広く全身の知識を身につける必要性があります。
TeethONは医師×歯科医師が国家試験を徹底指導するのが特徴です。
合格のため、未来歯科医師のため講師一同学び続けます。