コラム

第119回歯科医師国家試験総評――新卒合格率80%時代に見落としてはいけないこと        

第119回歯科医師国家試験の結果を見ると、全体合格率は61.9%、新卒合格率は80.2%でした。数字だけを見れば、新卒の約8割が合格しており、この水準自体は近年と大きく変わらない流れの中にあるといえます。つまり今年だけ特別に易しかった、あるいは極端に厳しかったというよりも、引き続き「新卒なら十分勝負できるが、決して誰でも通る試験ではない」という現実が続いていると考えるべきでしょう。

ただし、この80%という数字をそのまま安心材料として受け取るのは早計です。もともと歯学部では、どの大学でも進級判定や卒業判定が厳しく行われており、国家試験に到達するまでの段階で相応のふるい分けがあります。つまり、国試の合格率は最後の結果ではあっても、6年間の途中にある進級試験、実習、卒業試験と切り離して見ることはできません。表に出るのは国家試験の数字ですが、その背景には各大学で積み重ねられてきた厳しい評価があります。

だからこそ、今歯学部に在籍している人に必要なのは、「新卒80%だから何とかなる」と楽観することでも、「国試は難しすぎる」と悲観することでもありません。大切なのは、大学のカリキュラムにしっかり乗りながら、自分の理解不足や演習不足を早めに把握することです。独学で十分に伸ばせる人もいますが、範囲の広さや科目横断性を考えると、一人で抱え込みすぎると効率が落ちやすいのも事実です。授業、友人との勉強、大学の補講、模試、必要に応じた外部講座など、使えるものをうまく活用する姿勢が重要になります。

第119回の結果は、新卒合格率80%前後という安定した数字の裏で、「国試までたどり着くこと」自体が簡単ではないことを改めて示しました。だからこそ在学生には、合格率の数字だけで安心せず、日々の積み上げと学習環境の整備を早い段階から意識してほしいと思います。

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